· シン · column  · 7 min read

システムの理解を放棄した人が、AIにまともな仕事を頼めるわけがない

システムやツールの構築を他人に丸投げしてブラックボックス化する危うさと、AI時代に求められる「入力・処理・出力」を把握することの重要性について、現場の実体験から考えたこと。

システムやツールの構築を他人に丸投げしてブラックボックス化する危うさと、AI時代に求められる「入力・処理・出力」を把握することの重要性について、現場の実体験から考えたこと。

こんにちは、e-Shikumi-Laboの シン です。 このブログでは、ツールの使い方といった自動化のTipsだけでなく、日々の現場での気づきから得た「仕組み化思考」についても公開しています。

業務を効率化するための仕組み作りを推している立場なのですが、最近、ある現場を経験して強く感じたことがあります。

それは、システムやツールの構築を他人に丸投げして、中身をブラックボックス化してしまうことの危うさです。

今回は、私が実際に直面した現場の事例を交えながら、これからの時代に必要な「業務の解像度」について、私の率直な感想をお話しします。


担当者が理解を放棄した「丸投げ」の末路

以前、私が外部パートナーとして関わった、とある現場での出来事です(守秘義務のため一部表現をぼかしています)。

そこでは業務システムの更改という大きなプロジェクトがありました。しかし担当社員の方々は仕様の理解をほぼ放棄していました。社内で全容を把握している唯一の社員はマネージャー職で、通常の管理業務に追われてシステム更改にかかりきりになる余裕がありません。

結果として、ベンダーから受けたシステム構築に関する検討・構築の実務は、ほとんど私に丸投げされる形になりました。

ろくに事前の検討もしないまま「とりあえず」で動かしているため、本番になってから「やっぱりここを直したい」「追加でこの仕組みを入れたい」という要望が現場から次々と出てきます。

しかし、細かい仕様やデータの流れを理解しているのは、丸投げされた社内では私だけ。

正直なところ、「社内の重要なシステムの根幹をブラックボックスにして、これからどうするつもりなんだろう?」と、他人事ながら心配になってきます。好意的に捉えてもそんな感じで、内心では「もう知ったこっちゃない、全部ぶん投げてやろうか」と何度も思いました。


業務の解像度が低ければ、AIに頼むことすらできない

この事例に限らず、世の中には「中身はよく分からないけれど、結果(正解)が出ればいい」と、仕組みを分かろうとしない人が非常に多いと感じます。

ただ、この「丸投げ・ブラックボックス化」の姿勢は、これからのAI時代にはかなりリスクが高いのではないかと思っています。

最近では「AIを使えばパワポの資料も一瞬で作れる」などと言われますが、そもそも「自分は何を知りたくて、何を伝えたいのか」を明確に言語化できなければ、AIにまともな指示を出すことすらできません。業務の解像度が低い人は、AIに頼むスタートラインにすら立てないのです。

ここで言う業務の解像度とは、すべての流れを**「入力・処理・出力」**に分解して捉える力のことです。

どんなデータが入ってきて(入力)、それがどう加工され(処理)、どんな結果になるのか(出力)。この仕組みをあらかじめ把握しているからこそ、丸投げできる時代になっても「どこをAIにやってもらい、どこを自分がやるか」の判断ができます。


仕組みをコントロールする側に回るために

丸投げして作った仕組みは、ツールの仕様変更や環境の変化が起きた瞬間に、自分たちでは一歩も動けなくなって立ち往生します。

ただシステムが動くのを眺めているだけの人や、中身を知らずに丸投げするだけの人は、せっかくのテクノロジーの恩恵を十分に受けられないと思います。

ルールやシステムに振り回される側になるか、それとも中身を理解して飼い慣らす側になるか。私は後者のような、仕組みを自分の手でコントロールできる実力を持った人が増えればいいな、と思っています。

```